マンガの実写化が失敗しやすい理由にもう一つ根本的なことを付け加えたい。

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まあ、そうだよね。このとおりだと思います。

 

一方で成功しているものもある。

だが、基本的に失敗する。

なぜか?

 

「マンガの実写化は、実写になった段階でギャグからスタートだから。」

 

もうね、マンガの格好をした役者が出てくるだけで吹く。

”多くの人気マンガ”で、頭身、パース、髪や目や肌の色、質感、スタイル…すべてが(多くの日本人の)人間の基準から外れている。

それ故にマンガなので、それを実写にした段階で破綻するわけ。

存在自身がマンガ、というレベルのスーパーモデルやスーパーマッチョの役者さんが数多くズラッと揃っていて、いつでもチョイスできるほどハリウッド級に役者を選び放題なら良いけど、それも無理。

 

もちろん例外もある。

原作の段階で、いわゆるマンガチックな絵じゃない、スケッチのような絵の場合だ。「月下の棋士」とか。

 

また、池上遼一氏に代表されるその系統の絵はある程度アジア人によせているので、ある程度のイケメン美女ならカバーできるかもしれない。

じゃあ、そういう原作を選べばいいのに、と思うが、そこからが元記事の理由でできない。

 

すると、どうしてもギャグからのスタートになる。

 

ジャニタレとアイドル揃えても、基本的にコスプレ学芸会からのスタートにしかならないわけ。

 

これを克服して名作に持っていくには

・マンガレベルのスーパーキャストを揃え

・マンガレベルの映像演出を例え予算がかかっても揃え

・短時間で見せるシナリオになるまで練り続け

…と「そんな予算あったらマンガやらんわ」っていう次元になる。あくまで低予算としてマンガ原作がチョイスされていることのほうが多いのだから。 

 

一方で(興行的にはともかく評価として)成功している実写化マンガはだいたいコメディだ。

変態仮面、ピンポン、デトロイト・メタル・シティクロマティ高校…etc

これらは人間の役者で「あいつらがいる」それだけで笑えるのだからかなり強い。コスプレ学芸会であっても、笑わせるのが主であり、それ自体が笑いなのだからマイナス要素が少ない。もちろん原作としてコメディを選ぶということは、逆にマンガと実写の違いを「活かす」ことに意識があるスタッフの可能性が高いから、よけいにブーストがかかる。

こち亀等は、作りは元記事のいう「業界の都合」バリバリであったが、原作がギャグよりのため「駄作ではあるが許される」ぐらいの範囲にかろうじて収まったと思う。

 

耽美&シリアスな原作を実写化することが悪いのではないが、もともとハードルが高いのに志は低く、芸能の都合だけでやるのだから、そりゃ失敗するに決まっている。

※今制作が決まっている範囲だと「聖☆おにいさん」はよさそうに思う。