格安でクルマゲットすることには賛成だが、若者+10万円の軽は釣りにして盛りすぎだの件

togetter.com

自分としても、クルマはコスパ悪い悪いの大合唱のなか、カーシェアとの金額比較記事を書いたりして「トータルでコストなるべく下げる方法もあるし、なにより所有することにより運転技量があがり、結果としてカーシェアなどももっと活用できるようになる。一度は所有して2万キロ、できれば5万キロの運転経験を積もう。損はしないはずだ。それから手放すかどうかはあらためて考えるのが賢い。」という趣旨では記事を書いてきた。

ただし、「トータルコストは2万キロで安くても100万円」とも書いてきた。

crode.hatenablog.com

これを10万円とPRして釣ろうとしたところに元記事の無理がある。おそらく元ツイート主も趣旨としては自分と同じようなことを思っていたのだと想像はできる。だが盛りすぎた。

10万円の格安車を使いこなすにもまた、それなりの運転、所有経験が必要なのだ。車の状態をしっかりセルフでチェックするにはそれなりの知識と技術がいる。

そのための経験を積むには、やはりよほど環境に恵まれない限り、2万キロ100万円1000時間という相場ラインが出てきてしまう。旅客機や戦闘機のパイロット育成には数億円数千時間かかるというのとおなじく、自動車ドライバーなら、2万キロ100万円1000時間が一つの目安だと思う。(数字はイロイロ変動するから、あくまで分かりやすい単位にしているだけということは理解してもらいたい)

1時間1000円のトレーニングを1000時間積む…実質的なコストを全部積み上げていくとそれぐらいになってしまう。(親の車をタダで乗り放題とか家の環境があればできるが、それは単にそういう環境にいたと言うだけでコストが消えているわけではない)

カーシェアだって大雑把にはそれぐらいの価格になっているはずだ。(15分200円とかが多いが)。カーシェアのコストは見えやすいが所有するのとそれほど変わらないというのはそういうことでもある。所有するということは予約無しで専有できるオプション付きということでもある。僕が主張する所有というのは手放す前提であれば予約不要専有オプション付カーシェアという扱いで、所有とカーシェアをコスト比較するということだ。

自動車ドライバー育成というのはお手軽ではない。高いのだ。教習所の単価はもっと高いはずだ。

まあ義務教育の授業だって全コストを見えるように積み上げたらそれぐらい、いやもっとかかっているとは思うが。

それを当然のスキルというように個人負担で要求する社会というのもどうかなとは思うが、現段階でそれを解消することは出来ない。それでも欲しいかどうかだ。

できるだけ安く抑えてもせいぜい専有オプション付カーシェアぐらいの価格にしかならないが、それでも僕は値打ちはあると思う派というだけだ。

クルマというのは、今の世の中では知れば知るほど安くあげられるようになる面もある(限界はあるが)

(もちろん、誰にとっても、もっともっと安くなればいいとは思うが、それを実現できる世の中が実現できそうな見通しは今のところないと思う)

 

※補足

ちょっと誤解される書き方をしてしまったかもしれない。

2万キロ100万円1000時間というのは、諸経費を含んだトータル金額なので、たとえ所有せずカーシェアを利用したとしても運転に慣れる距離を走った頃には結果的にそれぐらいかかっているということだ。

しかし、理論上は可能であっても、実際問題、免許取り立てとかペーパーが所有しないでカーシェアだけでホイホイ車に乗ってこの距離をこなすのはあまりにハードルが高いので、むしろ所有したほうが同じ金額ならずっとこれをこなしやすいぞ(気がつけばだいたい越えているから)というのが本題。

だいたいクルマはカーシェアなり格安中古車なりで、安く使えるよ!という釣り記事に共通するのは「このハードルを過去の生活の中で超えてしまっていてそれを忘れている、もしくは意図的に無視している」ように見受けられるからだ。カーシェアカーを気楽に免許取得以降のペーパー&ペーペーがガンガン運転しているという状態は考えにくい。

そのハードルを超えるところから始めるには、10万円中古車もカーシェアもどちらも最適な手段とは思えない、ゼロスタートだと初期費用として50万円ぐらい(そこそこ程度の良い不人気中古車の場合)はかかるし、慣れるのは100万円ぐらいは気がつけばかかっているはずだ。

それでも他にもっと安くとなるとそれはその人の境遇次第、運次第としかいいようがない。家にあるひとなんかは気にせず使ってるし。

しかし、クルマ離れ論が対象にしているのはその人たちじゃないでしょ。ゼロスタートの位置にいる人達でしょ!?だってそうじゃなきゃ既に乗ってるんだから。

でも、ゼロスタートで100万円かかる境遇にある人が出しておいても、長い人生ではそんなに損はしない人が多いと思う、というのがこの記事の主張だ。