彼は失敗すると思うけど、この方向性は応援したい。
イケハヤさんが未開の地を買って「イケハヤランド」みたいなのを作ろうとしているらしい。クルマ選びから草刈機にいたるまで、全部最初からやらなくてもわかるでしょうという失敗を全力で体当たりして実体験してしまうあたり(しかも移住してそこそこ経つのに)「これが若さか…」という感じですが、これからの田舎のあり方として方向性としては応援したいのです。
これから限界集落を含め、いままでは経済成長でなんとかなってきたが、今後は難しいという土地が増えると思うのです。難しいというのは、上下水、電気、道路、通信(郵便含む)、教育、医療という最低限のインフラを行政が責任をもって整備くれるエリアがだんだん狭くなる、いや狭くしていくべきだろうということです。田舎のポツンとあるような家に住んでいても、とりあえず電気はあって、そこまでの道は最低限ながら整備され、学校には通え、救急車は時間はかかるかもしれないけど来てくれる、数ヶ月に一回でもくみ取りには来てくれる、そういう体制があったから貧乏でも一応田舎に住むことができていたわけです。これは目には見えないけど大変な一人あたりコストです。集まって住んでいれば一人あたりのコストが下がるのです。こういうコストを負担できる余力がなくなっていく、というのがこれからでしょう。
しかし、そういうインフラがなくても、自力で道を作り、維持し、移動手段を確保し、水は井戸や川など、下水は自力で流行りのバイオなんとかでも肥溜めでもやりくりし、電気は工事代を負担して引いたり、流行りの自然エネルギーオフグリッドでもいいし、学校や病院は自力でそこまで移動できる体制を確保し、通信も無線でも有線でも自前で費用を負担して整備する、治安すら自警する、そういう「自前の体力、財力、インフラ整備力のある人間」もしくは「インフラを必要としない人間」なら住んでもいい、いやそういう人しか住めない土地が限界集落から「行政外区」になっていくしかないのかなと思っています。
その代わり、行政外区に住むということは税金の恩恵を受けないということでもあるのだから、その分安くする、自由度が上がるといったトレードオフになるでしょう(ドローン飛ばし放題、小型飛行機からクルマまでナンバー無しでやり放題とか)そういう社会になったとき、果たして自由を求めて人は外区でやっていけるのか? そういう実験として彼の試みは興味をそそられます。
ただ、彼は失敗すると思いますが。
いや、マイナンバーカードが住基カード並に体たらくなのは住基カード並な発行体制のせいであって…
始まって1年で5%ならむしろスゴイほう。
住基カードなんて始まって10年で5%ぐらいだからね。1年あたりなら0.5%ぐらい。10倍ペース。その住基カード並の発行体制のままで全員に発行しようなんてのがそもそも無理なハナシ。運転免許証が平均5年更新とすると一年1600万~2000万枚ぐらい発行している計算だが、その6倍を1年であの発行体制で出せるはずがない。もしやるなら免許センターのようにマイナンバーカードセンターでずらっと窓口が並んでいて流れ作業処理でやる窓口が免許センターの3倍ぐらい無いと無理。5%ということは5~600万枚ぐらい発行しているということだがこれはむしろ体制の不備を考えると驚異的な数字といえる。
それでも半年から一年待ちで殺気立ってるんやで。
さらに、今回乗り切ってもまた5年後10年後に発行した枚数の更新がくるんやで!試算上は、全部発行し終わらないうちに、すでに発行した人の更新が押し寄せる…
住基カードが無効になったせいで財務省推奨のe-TAXも出来ず、その財務省直轄のカードが発行できんとはどういう了見や!税務署一揆打ち壊しぐらいの勢いやで。
通知カードさえ出せば十分と考えていた総務省財務省の一部と、e-TAX推進の財務省の一部、もっと真剣にケンカせいや!さっさと都道府県税務署内にカード発行部署でも作らんかい!年度末以外ヒマやろ!
マイナンバーカードは申請から発行まで半年どころやないで。
まだ発行通知が届いていないようなので、これからだと思うが、発行通知が届いてから受け取り予約というのがあり、これまた数カ月かかる可能性がある。
発行通知が届いた時点でカードはできているのだが、パスワードの設定や本人確認の窓口時間の予約が必要なんである。これがまた詰まっている。
先の記事でも書いたように、単純計算で、うちの30万人の市で2口しか窓口がないので(しかも専用でない)ほぼビッシリ埋めても全員に渡すには30年かかる試算。
これぐらい最初から予想さえできていなかったとは……リアルノマド
先日、リアルノマドカーライフを始めるということで、少しは実践的なノウハウを期待していたのだが、実態は、先日自分がした想像の範囲内より、遥かに低レベルなところで厳しいようでした。
先日、リアルノマドカーライフについて、アレコレ考えた記事。
このとき「水、トイレ、ゴミのインフラただ乗り」に関しては、ある程度仕方がないというか、人数が少ないうちは「想定された利用ではないが、公衆用ということを著しく逸脱しない範囲(たまたま立ち寄った人がトイレを使うのと、日常的にトイレを使う人が若干存在することで、トータルの使用量で著しい差がないぐらいの範囲)」であればまあ目をつむるのが「公衆」だから、とそこには言及しなかった。(そういう利用を区別するコストのほうが高くつく程度の利用数の範囲ならば)
なので、これを記事にすればかならず炎上するともね。
コッソリやるもんだからね。
そのかわり、定住できるのはよくて3日、どこまで図々しくても1週間が限度だろう、とも予想していた。
まあだいたいこうなるかな、と思っていたのだが、予想以上に本人の見通しの甘さを感じた記事でした。車中泊経験すらなしに乗り出した感。
夏?でギブアップ?
夏も辛いが、恐ろしいのは冬だぞ。
20万?
よくて10万、できれば5万に収めんとリアルノマドカーライフなんて無理だぞ。
総務省はICカードとしてのマイナンバーカードを普及させる気なんか無いよ
まず、これはICチップが埋め込まれた「マイナンバーカード」のハナシであって、国民に番号を発行する「マイナンバー」のことではないから混同しないように。
AAAブログさんの最後の方に「普及させるなら仕様を~」とあるが、正直いって総務省はそもそも国民全員にICカードを普及させる気なんか無いよ。だってカードの発行に数十年かかる計算だもの物理的に。
彼ら(総務省、財務省)が欲しかったのはあくまで所得追跡のための「徴税番号(マイナンバー)」だけである。それと支払元の申告に番号を必要とさせる法律によってサラリーマン以外の所得追跡、名寄せによる全体把握が最大の目的であり、それ以外はめくらましである。
カードによる利便性なんてのは「徴税番号(マイナンバー)では「わかりやすい国民のための利便性」というものが一切なくなり、理解が得られないのと、予算が膨らまないので口実のための追加オプションであり、ふりかけみたいなもんだ。
ムスカ曰く「バカどもには良い目眩ましだ」
ただそれでもせっかく仕組みを整えたのなら活用する方向を考えてもいいと思うのだが「個人情報ガー」の攻撃にさらされてまったく機能していない。
本来は国民番号として複数の種類の生体情報(虹彩、静脈、指紋、DNAの一致率、必要強度によって使い分ける)をマスターとし、番号は生体情報スキャナが難しいため末端で簡易的に使えるワンタイムパスフレーズとして使い捨てするぐらいまでのシステムが望ましいと思っている。
前から何度も言ってるけど今のカーシェアリングをクルマ離れの対策とするのは不十分
カーシェアリングそのものがダメって言ってるんじゃないよ。カーシェアリング便利!素晴らしい!もっと活用しようよ!っていう話には別に何の異論もない。
ただ「クルマ離れ」と結びつけて考えると不十分ってハナシ。
なぜって?クルマ離れの要件定義の話になるけど、まあ基本的にペーパードライバー、もしくは免許なしってことでしょう?リンク先の記事では「免許保有率はそれほど低くない」ってことなんで、つまりペーパードライバーの若者をターゲットとして書いている事だと仮定してもよいと思う。
レンタカー借りたことがある人ならわかると思うけど、傷のチェックとか書類とかかなりビビるでしょペーパーなら。あれをビビらずにすっとスマートに使えるってことはそれなりの運転経験がないと厳しい。カーシェアリングは面接がない分、多少心理的ハードルは下がるとは思うけど、それでも完全新規ペーパーが人の車をパッと運転できるってのは精神的DQNだと思うよ(怖いもの知らず、運転舐めすぎって意味で)。
じゃあ、それなりの運転経験って?
まあ最低2万キロぐらい。できれば5万キロ、10万キロ走って一台乗り潰せば一人前。
で、日帰り房総で何キロ走る?まあ多くて300kmぐらいだろう。これを月一回で2万キロ行くには70ヶ月だよ70ヶ月。6年。平均速度30kmと仮定して2万キロは666時間、都内ならもう少し遅くなるから1000時間ぐらいか。1000時間って聞くと多く思えるけど、身体を使って慣れることがモノを言うトレーニングモノとしては決して大げさな数字ではない。毎日乗ってれば1年で到達する距離でもおっかなびっくりで7年も続くかね?まあ普通はないな。
なので、これらのサービスは「いったんクルマ離れ」「賢くなってクルマを手放した人たち」になら効果はある。
家の車があったり、自分で買ったり、とにかく「自由に遠慮無く使えるクルマが手元にある時期」ってのがどうしても必要なわけ。
だから田舎はクルマ離れしないよ。
家族と同居してて自由に使える車があるとか、一度は無理して持ってたけどやっぱり手放したとかの層は除外してもいい。
クルマ離れを絡めるなら、免許だけは取ったけど、田舎に戻ることもなく免許だけ更新しているような、完全新規ペーパードライバーをどうするか?って話が重要なわけ。
この上達する期間(1000時間)がそもそも得られない人が多いから若者のクルマ離れなんて言われるわけ。この時期があった人はカーシェアリングの記事なんて読まなくても自分でレンタカーでもシェアリングでも自由にやってる。
(東京などの大都市圏で)クルマ離れを食い止める方法?んなもん無いよ。
まああるとしたら格安で運転経験が積める方法を提供することぐらいだね。それが「今の価格帯のカーシェア」だというなら、それはあまりにも楽観的すぎる。
その金額出して2万キロ走れる層ならそもそも買える。(1000時間=月2回一日おでかけ≒12時間×83ヶ月≒カーシェア約80~100万円)いつでも買えるけど賢いから買わない層は除外していいんだよ。
ぶっちゃけ30万円の中古車に月5万円維持経費がかかっても1年(12ヶ月)でポイする覚悟で2~3万キロトレーニングするならおそらく同じ費用分のカーシェアでがんばるよりずっと効率よく実りあるトレーニングになるだろう。この1000時間100万円をどう買うか?って違いだけだ。もっと気合入れて半年で練習カーは手放す!という意気込みならもっと安くあげられる。(人生的に損か得かは問題じゃないよ。カーシェアと同じ練習量を確保するという条件での比較)
ま、クルマ離れというのは「その1000時間100万円は出せないし出す気もない出すメリットも感じない」ってことなんだが。メリットを感じさせるというのはあまりに主観に依存するし、必要時間は減らないので、客観的に可能な手段は「100万円をどこまで下げられるか?」「100万円が出せる台所事情になる」しか存在しない。そしてその可能性のある手段ですら今のところ有効な方法はない。
この手の「これで解決!」みたいなメソッド記事十把一絡げでだいたいそうだけど、デキる子なら出来る、って話で虚しいんだよ。
できない子をどうするか?ってのが大事なんだ。そしてそれがとても難しい課題だから解決できないわけで。